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acqua fata (和訳:水の妖精)

昇り始めた朝日に照らされた海が
藍から蒼へと姿を変えていくよ

真っ白な制服に袖を通したら、さあ
優しい波の上へゴンドラを漕ぎ出そう

そよぐ風も共に走り出し
全身で感じる幸せの匂い
このままどこへ行こうかな

空が溶け込んだ運河にキラキラ光る陽の光
跳ねるしぶきすら暖かい
長い髪をなびかせ横をすれ違ってゆく水先案内人(ウンディーネ)
見えない翼を広げた水の妖精

浮かせたオールの先から輝く雫が
水面(みなも)に柔らかな波紋を描くよ

水の上を滑るゴンドラの後ろには
真っ直ぐで綺麗な轍(わだち)が後を追いかける

大きな幸せ探しにいこう
想像も出来ない程の奇跡があり
素晴らしいこの惑星(ほし)で

雨上がりの広場には、たくさんの虹色水溜り
顔が自然と笑顔になる
大空を舞う鳥の羽音(はね)に乗せ響き渡る舟謳(カンツォーネ)
世界中の素敵なものを見に行こう

星の降る日は水の灯りが
行く先を示してくれる
小さくても大きな夢は
いつもすぐそばにあるよ

木漏れ日が降り注ぐ水辺に
健気に咲いている名も無き花にも
幸せがありますように

子ども達が遊ぶcampo(カンポ)も、ネコが散歩するcalle(カッレ)も
全てが素敵にみえてくる
長い髪をなびかせ流れる風のような水先案内人(ウンディーネ)
見えない翼を広げた水の妖精

世界中の素敵なものを見に行こう


詩モデル:ARIA(天野こずえ著:マッグガーデン刊)



In November 2006,written by yuu_kazahara